読書好きな方にとって、電子書籍リーダーは欠かせないツールですよね。近年、電子書籍の普及により、読むためのデバイスとして、電子書籍リーダーのKindleとタブレット端末のiPadが人気を集めています。どちらを選ぶか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Kindle端末とiPadの特徴を比較し、さらにそれぞれの人気機種についても詳しくご紹介します。
あなたの読書スタイル(または読書の目的)に合わせた最適なデバイス選びをお手伝いしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
KindleとiPadの基本情報
Kindleとは?特徴と利点
Kindleは、Amazonが開発・販売する電子書籍リーダーです。電子書籍専用の端末として設計されており、次のような特徴と利点があります。
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電子ペーパー技術:Kindleの画面は電子インク(e-ink)を使用していて、紙に印刷された文字を読むのと同じような感覚で読書することができます。長時間の読書でも目が疲れにくく、日光の下でも反射が少なくて読みやすいのが利点です。
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軽量・コンパクト:Kindleは非常に軽量で持ち運びが便利です。例えば、Kindle Paperwhite(第11世代)は207gで、厚さは8.1mmです。
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長時間バッテリー:バッテリーは1回の充電で数週間持つので、充電の手間が省けて非常に楽です。Paperwhiteなら最大10週間、Oasisなら最大6週間使用できます。
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防水機能:特にKindle Paperwhite(第11世代)、Kindle Paperwhite シグニチャー エディション(第11世代)、Kindle Oasis(第10世代)は、IPX8の防水性能。保護等級が最高の8級、「継続的に水没しても内部に浸水することがない」です。プールやお風呂でも安心して使用できます。
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読書専用機能:他のアプリや通知に邪魔されることなく、読書に集中できます。
iPadとは?特徴と利点
iPadは、Appleが開発・販売するタブレット端末です。操作が簡単で、電子書籍リーダーとしての機能に加え、インターネットブラウザ、動画視聴、ゲーム、アプリ利用など、様々な用途に活用できます。
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カラー表示:高精細のRetinaディスプレイで、漫画や雑誌、カラーの図解もとても鮮やかに表示されます。ちなみにRetina(レティナ)は網膜という意味で、「画素が細かく人間の目で識別できる限界を超えている」ことから命名されたそうです。
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多機能性:読書だけでなく、インターネットブラウジング、ビデオ視聴、ゲーム、仕事、クリエイティブな作業(例えばスケッチやノート取り)など、多用途に使用できます。
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高解像度ディスプレイ:例えば、iPad Pro 11インチ(M4)は解像度1,668 x 2,420の有機ELディスプレイを搭載し、非常にクリアな画面です。
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重量:iPadの重量はモデルにより異なりますが、一般的にKindleよりも重いです。例えば、iPad Air (M2)は462gです。
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バッテリー:使用用途によりバッテリーの持ちは異なりますが、10時間程度の連続使用が可能です。
読書のための性能比較
Kindleでの読書:電子ペーパーの魅力
Kindleの最大の魅力は、電子ペーパー技術を用いたディスプレイです。紙のような質感で、長時間の読書でも目が疲れにくいのが特徴です。
さらに、電子ペーパーは光を反射せず、外光の影響を受けにくいという特徴もあります。そのため、日当たりの良い場所でも画面が見やすく、屋外でも快適に読書を楽しめます。
フロントライトで、暗い場所でも快適に読書することができます。
iPadでの読書:カラー表示と多機能性
フルカラー表示のiPadは、特に漫画や雑誌、イラストの多い書籍を読むのに適しています。また、iBooksアプリやKindleアプリをインストールすることで、電子書籍を自由に購入・管理できます。さらに、読書中にインターネットで調べ物をしたり、他のアプリと並行して使用することも可能です。
iPadは、高精細な液晶ディスプレイで、鮮明な画像と動画を楽しむことができます。写真やイラストが多い本を読むのに適しています。
また、iPadはマルチタスク機能を搭載しているので、読書中に調べ物をするなど、効率的な読書ができます。さらに、メモアプリやノートアプリを利用して、読書中に思ったことを書き留めることもできます。
漫画や雑誌の表示:Kindle vs iPad
漫画や雑誌を読む場合、iPad miniを除く大画面のiPadは見開き表示に対応していて、快適に読むことができます。また、iPadはカラー表示なので、カラーページも鮮やかに表示でき、高解像度によって、細かい文字やイラストも鮮明です。
Kindleも漫画を表示できますが、カラー表示ができないため、カラー漫画や雑誌にはやや不向きです。
バッテリーの持ち:Kindle vs iPad
バッテリーの持ちはKindleのほうが圧倒的に優れています。Kindle Paperwhiteは最大10週間、Kindle Oasisは最大6週間持続します。
一方、iPadのバッテリーは約10時間の連続使用が可能です。
目の疲れ:Kindle vs iPad
Kindleの方が目に優しいと言われています。Kindleの電子ペーパーは光を反射せず、ブルーライトも少ないため、長時間読書しても目が疲れにくいという特徴があります。
一方、iPadは高解像度のディスプレイで見やすいのですが、液晶ディスプレイのため、長時間の読書では目の疲れを感じやすくなることがあります。ブルーライトフィルターや、ナイトシフト機能(日暮れ後にディスプレイの色味を暖色系に自動的に切り替えてくれる機能)を使うことで多少緩和できますが、長時間読書する場合は、Kindleの方が目の疲れを抑えることができます。
KindleとiPadの全モデルとコスト比較
Kindleの全モデルと価格
Kindleの価格はモデルによって異なります。それぞれ、2024年6月現在の価格を表示しています。
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Kindle(第11世代):基本的な読書機能を満たした入門機。6インチディスプレイ、16GBストレージ。お手頃価格で、14,980円です。
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Kindle Paperwhite(第11世代):防水機能や高解像度ディスプレイ、明るさ調整機能が追加。6.8インチディスプレイ、8GBまたは16GBストレージ。19,980円~。コストパフォーマンスが高いです。
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Kindle Paperwhite シグニチャーエディション(第11世代):Kindleではじめてのワイヤレス充電対応モデル。6.8インチディスプレイ、32GBストレージ。21,980円。
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Kindle Oasis(第10世代):高解像度ディスプレイ、物理ボタン搭載。色調調節機能で、より快適に読書ができるモデル。7インチディスプレイ、8GBまたは32GBストレージ。29,980円。
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Kindle Scribe(第1世代):手書き入力機能のついたモデル。10.2インチディスプレイ、16GBまたは32GBまたは64GBストレージ。47,980円~。
iPadの全モデルと価格
iPadの価格もモデルによって大きく異なります。
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iPad(第10世代):基本的な機能を備え、初めてのiPadとしておすすめです。10.9インチディスプレイ、64GBまたは256GBストレージ。お手頃価格で、58,800円~。
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iPad Air(11インチ、M2):性能が向上し、クリエイティブな作業にも適しています。11インチディスプレイ、128GBまたは256GBまたは512GBまたは1TBストレージ。中価格帯で、98,800円~。
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iPad Mini(第6世代):軽量コンパクト。8.3インチディスプレイ、64GBまたは256GBストレージ。84,800円~。持ち運びに便利。
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iPad Pro(11インチ、M4):最上位モデル。11インチディスプレイ、256GBまたは512GBまたは1TBまたは2TBストレージ。168,800円~。最高の性能と大画面で、プロフェッショナルな用途にも対応します。
Kindleアプリの利用:iPadでのコスト削減
iPadでKindleアプリを利用すれば、Kindle端末を購入せずに電子書籍を楽しむことができます。iPad一台で読書からエンターテインメントまで幅広い用途に対応できます。Kindleアプリは無料でダウンロードでき、Amazonアカウントがあればすぐに利用できます。
目的別のおすすめ機種
主に何に使いたいかという目的別に、おすすめ機種をご紹介します。
通勤・通学時に最適なデバイスは?
通勤・通学時には、軽量で持ち運びやすいデバイスが便利です。また、バッテリーの持ちが良いモデルを選ぶと、充電切れの心配がありません。
Kindle Paperwhite シグニチャー エディション (第11世代)
軽量で、長時間バッテリーが魅力です。32GBのストレージに、電子書籍や資料などをたくさん保存できます。自動調光機能付きのフロントライトで、暗い場所や屋外など、どんな環境でも快適に読書できます。
シグニチャー エディションはKindleの中で唯一、ワイヤレス充電に対応していて、最も人気のある機種でもあります。下位機種のKindle Paperwhite 16GBとの差額は2,000円ですが、ストレージが倍の32GBに増えるので、こちらのほうがおすすめです。
iPad Mini (第6世代)
軽量コンパクトなデザインが特徴で、持ち運びに非常に便利です。A15 Bionicチップを搭載し、高性能を維持しながら、小さなサイズで快適に使用できます。Apple Pencilにも対応し、ノート取りやスケッチにも最適です。
自宅での読書に最適なデバイスは?
自宅での読書には、画面が大きくて見やすいデバイスが最適です。
Kindle Oasis (第10世代)
大きな高解像度のディスプレイと長時間バッテリーで快適に読書ができます(1回の充電で6週間利用可能)。自動調節ライトが周囲の明るさに合わせて画面の明るさを自動的に調整してくれるため、家の中を移動しても、夜に家族のために電気を消しても、常に快適な読書ができます。軽量で持ちやすいデザインと、ページめくりボタンがあるため、長時間の読書でも疲れにくいです。
iPad Air 11インチ (M2)
最新の高性能なM2チップを搭載し、ページ送りも滑らか。Liquid Retinaディスプレイは美しく、雑誌の写真やカラー漫画もくっきりと見え、クリエイティブな作業にも最適です。軽量で持ち運びやすく、マルチタスク機能を搭載しているので、読書中に調べ物をするなど、効率的な読書ができます。
iPad Pro 11インチ (M4)
雑誌や漫画も鮮やかな大画面で楽しめます。最強の性能を持つモデルで、M4チップを搭載しています。Liquid Retina XDRディスプレイは、非常に高い解像度と広い色域を持ち、プロフェッショナルな用途にも対応できます。Apple PencilやMagic Keyboardにも対応し、イラスト制作、動画編集や文書編集などの仕事にも最適です。
旅行や外出先での読書に最適なデバイスは?
旅行や外出先では、バッテリーの持ちが重要です。
Kindle Oasis(第10世代)
Kindle Oasisは、7インチの電子インクディスプレイを搭載し、Kindle Paperwhiteよりも画面が大きいため、さらに快適に読書を楽しむことができます。
防水機能付きで、バッテリー容量が大きく、1回の充電で数週間使用できるので、旅行中やアウトドアでも安心です。
さらに、自動調節ライトが周囲の明るさに合わせて画面の明るさを自動的に調整してくれるため、常に快適な読書ができます。
iPad Mini (第6世代)
携帯性が高く、旅行に便利です。コンパクトながら、Apple Pencilに対応しているため、文章や絵を描くツールとして活用できます。
読書に集中したい人には?
読書に集中したい人には、電子インクディスプレイ搭載のKindleがおすすめです。目が疲れにくく、他のアプリや通知に邪魔されることもないので、途中で他のことに中断されることがありません。
Kindle Paperwhite シグニチャー エディション (第11世代)
6.8インチの電子インクディスプレイを搭載しており、紙のような読み心地で目に優しく、長時間の読書でも疲れにくいのが特徴です。また、自動調光のフロントライトにより、周囲の明るさに合わせて画面の明るさが自動的に調整され、暗い場所でも快適に読書することができます。
さらに、軽量で持ち運びやすく、防水機能もあるため、お風呂やプールサイドでも安心して読書を楽しめます。バッテリーは1回の充電で最大10週間持つので、頻繁に充電する必要もありません。
シグニチャー エディションは下位機種のKindle Paperwhite 16GBとの差額は2,000円ですが、ストレージが倍の32GBに増えるので、こちらのほうがおすすめです。
Kindle Oasis (第10世代)
Kindleシリーズの中でも特に高機能で、長時間のバッテリー持ちと高解像度ディスプレイが魅力です。Paperwhiteと同様に防水機能や調光機能もあり、どんな環境でも快適に読書ができます。
さらに、ページめくりの物理ボタンが意外と便利で、片手でKindleを持ってボタンの上に親指を置いたまま読み、そのまま親指で軽く押すだけでページをめくれます。ボタンは2つあり、前ページ、次ページへめくれますが、設定で場所を入れ替えることもできます。ボタンの反応も良く、Oasisの機能の中で、これが一番の目玉かもしれません。
読書以外の楽しみも求める人には?
読書以外にも、インターネットブラウザ、動画視聴、ゲーム、アプリ利用など、様々な用途に活用したい人には、iPadがおすすめです。
Apple Pencilに対応しているモデルなら、メモやスケッチ、イラスト制作などにも活用することができます。手書きのメモを取ったり、アイデアを書き出したり、イラストを描いたりなど、様々な用途に利用することができます。
また、紙の資料などをスキャンして、iPadに取り込んだり、AirDropまたは「メール」や「メッセージ」などのアプリで共有したりできます。紙の本を自炊するのもラクラクです。
iPad Air 11インチ (M2)
iPadよりも高性能なチップ搭載。広色域ディスプレイで色も鮮やかになりました。軽くてペン入力の精度も大幅に向上。様々な用途に快適に利用できます。
iPad Pro 11インチ (M4)
高性能プロセッサを搭載しており、複数のアプリを起動していても、スムーズな操作が可能です。B5判ほどの画面はカラー表示も美しく、漫画や雑誌の読書も楽しめます。筆圧感知能力が高く、低遅延。重いアプリも扱えるので、ビジネスパーソン、プロのイラストレーターにも好評です。
書類などをスキャンしたときに、自動で撮影者の影を消してくれるのも便利。保存されたPDF上の文字はOCRでテキスト情報に変換されているので、このまま次の作業に使えます。
まとめ:あなたに最適なデバイスはどっち?
Kindleが向いている人
- 長時間の読書を楽しみたい人
- 目の疲れを軽減したい人
- 防水機能を重視する人
- 読書に集中したい人
- 軽量で持ち運びやすいデバイスを求める人
特に、Kindle PaperwhiteやKindle Oasisは、電子インク技術と長時間バッテリーが特徴で、快適に読書ができます。
iPadが向いている人
- 読書以外の用途にも対応したい人
- カラー表示が必要な人
- 漫画や雑誌を楽しみたい人
- ノート取りやイラスト制作などのクリエイティブな作業をしたい人
- 高性能なデバイスを求める人
iPad ProやiPad Airは、特に高い性能と多機能性を持ち、幅広い用途に対応できるため、非常に便利です。
どちらのデバイスも、それぞれの特性や利点があり、あなたの読書スタイルや用途に合わせて最適なデバイスを選ぶことが大切です。ぜひ、あなたにピッタリなデバイスを見つけて、快適な読書を楽しんでください。