スマートフォンでの動画撮影が日常的となり、それに伴って手軽に動画編集を始めたいという人も増えています。しかし、高性能なパソコンを購入するのはハードルが高いと感じることもあるかもしれません。
そんな中で注目を集めているのが、タブレットでの動画編集です。タブレットはパソコンよりも安価で持ち運びやすく、直感的な操作で簡単に動画の編集ができます。
この記事では、タブレットで動画編集をするメリットや、タブレットの選び方、初心者から上級者までレベルに合わせたおすすめ機種を詳しくご紹介します。また、レベル別におすすめの動画編集アプリもご紹介します。
タブレットで動画編集をするメリットとは?
タブレットで動画編集をする4つのメリット
タブレットで動画編集をするメリットは大きく分けて4つあります。
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手軽さ: ノートPCと比べて小型軽量なタブレットは、場所を選ばずに動画編集が可能です。カフェや移動中の電車内など、ちょっとした空き時間にも作業を進められます。撮影現場ですぐ編集することもできるため、作業効率が大幅に向上します。
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直感的な操作: タッチパネル操作で直感的に動画編集ができるため、トリミングやエフェクトの適用が簡単。初心者でも簡単に操作を習得できます。複雑なキーボード操作を覚える必要もありません。指先やスタイラスペンでの細かい編集作業も可能で、特に動画のカット編集やトランジション設定が快適に行えます。
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充実した専用アプリ:タブレット向けに最適化された動画編集アプリが豊富に用意されています。初心者向けの簡単なものから、プロ仕様の高機能なものまで、目的に応じて選択できます。
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コストパフォーマンス: 高性能なパソコンに比べて、タブレットは比較的安価で購入できます。動画編集ソフトの中には無料のものも多く、初期費用を抑えることができます。
スマホ・PCとの違いは?タブレットならではの強み
スマホでも動画編集は可能ですが、画面が小さく操作がしづらいというデメリットがあります。一方、パソコンは高性能ですが、持ち運びには不便です。
タブレットは、スマホとパソコンの中間的な存在であり、両者のメリットを兼ね備えている点が強みです。スマホよりも大きな画面で細かいところも快適に編集作業ができ、パソコンよりも手軽に持ち運ぶことができ、タッチ操作による直感的な編集が可能です。
動画編集用タブレットの選び方
動画編集に適したタブレットを選ぶには、いくつかのポイントがあります。
CPU性能とメモリの最低スペック
動画編集には高い処理能力が求められます。また、複数のアプリを同時に起動したり、高画質の動画を編集したりする場合は、メモリ容量も重要です。快適に編集を行うための目安として、次のようなスペックを満たしたタブレットがおすすめです。
- CPU:8コア以上推奨
- メモリ:4GB以上推奨
- GPU:統合GPU搭載
- プロセッサ性能:Snapdragon 680以上、またはMediaTek Dimensity 800番台以上
ストレージ容量の目安
動画ファイルは容量が大きいため、ストレージ容量も重要な要素です。動画編集を行う場合は、最低でも64GB以上のストレージ容量があると安心です。動画をたくさん保存したい場合は、128GB以上のタブレットを選ぶか、microSDカードで容量を拡張できる機種を選びましょう。
- 最低容量:64GB
- 推奨容量:128GB以上、またはmicroSDカード対応
画面サイズと解像度の基準
動画編集を行う際には、画面サイズも重要です。編集作業の快適性を考えると、10インチ以上のタブレットがおすすめです。解像度も高く、フルHD(1920×1080)以上の解像度があれば、より鮮明な映像で編集作業を行うことができます。
- 画面サイズ:10インチ以上推奨
- 解像度:1920×1080以上(フルHD)
- リフレッシュレート:60Hz以上
- 色域:sRGB100%以上が望ましい
バッテリー持続時間の重要性
動画編集は電力を多く消費する作業です。外出先で動画編集を行う場合は、バッテリー持続時間も重要なポイントです。8時間以上のバッテリー持続時間があれば、安心して作業ができます。
- 最低:6時間以上
- 推奨:8時間以上
- 急速充電対応も重要なポイント
対応アプリケーションの確認ポイント
動画編集をするためのタブレットを選ぶ際には、「使いたい動画編集アプリがその機種で動くか、そして快適に使えるか」という点が重要です。OSやスペックについて、次のようなポイントを確認しましょう。
iOSとAndroidの違い
iPadではiMovie、Final Cut Pro for iPad、LumaFusionといったApple独自の高性能アプリが使用できます。特にiMovieは無料ながら初心者に使いやすく、Final Cut Proはプロレベルの編集が可能です。一方、AndroidタブレットではCapCut、KineMaster、PowerDirector、InShotなどが主流で、無料版でも充実した機能を利用できるアプリが多いのが特徴です。
クロスプラットフォームアプリの活用
Adobe Premiere RushやCapCutは、iOS・Android両方で使用できるクロスプラットフォームアプリです。複数のデバイスを使い分ける場合や、将来的にデバイスを変更する可能性がある方は、こうしたアプリに対応した機種を選ぶと便利です。プロジェクトファイルをクラウド経由で同期できるため、スマホで撮影した素材をタブレットで編集するといったワークフローも実現できます。
スペックとアプリの相性
高度な機能を持つアプリほど、タブレットに求められるスペックも高くなります。例えば、LumaFusionやFinal Cut Pro for iPadで4K動画を複数レイヤーで編集する場合、M3やA17 Pro以上のチップと8GB以上のメモリが推奨されます。一方、CapCutやInShotのような軽量アプリなら、エントリーモデルでも快適に動作します。使いたいアプリの推奨スペックを確認し、それを満たす機種を選ぶことが重要です。
次の章から動画編集用のタブレットをご紹介したあと、動画編集アプリについても、初心者・中級者・上級者向けに分けて、ご紹介します。
プロ・上級者向け動画編集用タブレット3選
Apple 11インチiPad Air (M3)《「正確な色」を求めるクリエイターに》
動画編集を本格的に始めたいというクリエイターにとって、この「iPad Air (M3)」はまさに最適解と言える一台です。最大の特徴は、PC並みの処理能力を誇る「M3チップ」の搭載です。前世代からの大幅なスペックアップにより、4K動画の複数トラック編集や、高負荷なカラーグレーディング処理も驚くほどスムーズにこなします。特に、レンダリング(書き出し)速度の向上は著しく、締め切りに追われるプロの現場でも頼れる相棒となってくれます。
11インチのLiquid Retinaディスプレイは色再現性に優れ、正確な色調整が可能なため、本格的な映像制作にも対応します。
対応アプリとしては、LumaFusion、Adobe Premiere Rush、Final Cut Pro for iPad、DaVinci Resolveなど、プロ向けアプリとの相性が抜群で、複数のトラックを使った高度な編集も快適です。これらは指先やApple Pencilでの直感的な操作と、キーボードショートカットを組み合わせることで、PC以上の作業効率を生み出すことも可能です。Wi-Fi 6E対応で大容量の動画ファイルの転送も高速。12MPのフロント・バックカメラは撮影から編集までワンストップで完結させられます。
一日中使えるバッテリー性能は、長時間の編集作業でも安心して使用できる点が魅力。Apple Pencil (Proと USB-Cに対応) との組み合わせで、タイムライン上での細かな調整や手書きメモの追加も直感的に行えます。128GBのストレージは基本モデルですが、クラウド連携を活用すれば容量不足も解消できます。
iPad Proとの主な違いはリフレッシュレート(ProMotion非搭載)やスピーカー構成ですが、純粋な演算能力としては動画編集に十分すぎるスペックを持っています。「外出先でも妥協のない編集をしたい」というニーズに、最もバランス良く応える機種として、おすすめです。
| ディスプレイ | 11インチ Liquid Retina、2360×1640、264ppi |
| プロセッサ | Apple M3、9コア |
| ストレージ容量 | 128GB / 256GB / 512GB / 1TB |
| バッテリー | 7606mAh |
| 価格 | 124,800円~ |
Samsung Galaxy Tab S11《高品質な有機ELディスプレイ》
Androidタブレットの最高峰として君臨するのが、2025年最新モデルの「Galaxy Tab S11」です。この端末の最大の強みは、最初から「Sペン」が付属しており、追加費用なしでフレーム単位の細かなカット編集やマスクの描画、テロップの手書き装飾などができる点です。Sペンの遅延は極限まで抑えられており、まるで紙に書くような感覚でタイムラインを操作できます。
画面は有機EL特有の引き締まった黒を表現でき、完成映像のシビアなチェックにも最適。チップセットには高性能なプロセッサーを採用し、メモリも強力なため、LumaFusionやAdobe Premiere Rushなどの高機能アプリをマルチウィンドウで立ち上げても動作が重くなりません。
KineMaster、PowerDirector、Adobe Premiere Rushなど、Android向けの主要動画編集アプリに対応しており、特にKineMasterではレイヤー編集やクロマキー合成なども快適に行えます。
ストレージは256GBの内部ストレージに加えてmicroSDカードで最大2TBまで拡張できるため、4K素材を大量に持ち歩く上級者でも容量不足に悩まされることはありません。8,400mAhの大容量バッテリーは長時間の編集セッションでも安心して使用できます。
また、IP68等級の防水防塵に対応しているのも、屋外ロケの多いVloggerやアウトドア系クリエイターには見逃せないポイントです。突然の雨や水辺での撮影確認も安心して行えます。
さらに、Samsung独自の「DeXモード」を使えば、UIがWindows風に切り替わり、マウスとキーボードを接続してPCライクな編集環境を構築できるため、より本格的な編集作業も可能です。動画編集のための高性能なAndroidタブレットをお探しの方に、おすすめです。
| ディスプレイ | 11インチ有機EL、2560×1600 |
| プロセッサ | Snapdragon 8 Gen 3 |
| ストレージ容量 | 128GB / 256GB / 512GB |
| バッテリー | 8400mAh |
| 価格 | 138,820円~(256GB) |
Xiaomi(シャオミ) Pad 7 Pro《高性能&高コスパ》
Xiaomi(シャオミ) Pad 7 Proは、コストパフォーマンスに優れるプロ向けタブレットです。
Snapdragon 8s Gen 3というフラッグシップ級のチップを搭載しながら、競合他社のハイエンド機よりも価格を抑えています。この処理能力により、高解像度の動画編集アプリ「CapCut」や「VN」での複雑なトランジション処理もカクつくことなく滑らかにプレビューできます。
ディスプレイ性能も圧倒的で、3.2Kという高解像度に加え、144Hzのリフレッシュレートに対応しています。これにより、タイムラインのスクロールやコマ送りの操作が非常に滑らかで、目の疲れを軽減しながら長時間の編集作業に没頭できます。800nitsの高輝度ディスプレイは屋外での編集作業でも視認性が高く、Dolby Vision対応により色再現性も優れています。
OSには最新の「Xiaomi HyperOS 2」を搭載し、システム全体の軽快さと、Xiaomi製スマートフォンとのシームレスな連携機能(相互接続)が強化されています。スマホで撮影した動画素材を瞬時にタブレットへ転送し、即座に編集に入るといったワークフローがスムーズに構築できます。Xiaomi HyperOS 2とGoogle Geminiの統合により、AI機能を活用した編集支援も可能です。
CapCut、KineMaster、Adobe Premiere Rushなどの主要アプリに対応しており、特にCapCutとの相性が良く、トレンドを意識した動画制作に最適です。4スピーカー搭載により、編集中の音声チェックも高品質で行えます。
バッテリーも8850mAhと大容量で、67Wの急速充電に対応しているため、レンダリングでバッテリーを消費した後でも短時間でリカバリーが可能。プロレベルのスペックを手頃な価格で求める実用重視の方や、セカンドデバイスとして導入を検討している方に、最もおすすめの一台です。
※ 8GBメモリ+128GBストレージ(54,800円~)と、12GBメモリ+512GBストレージ(69,980円~)があります。
| ディスプレイ | 11.2インチ、3200×2136 |
| プロセッサ | Snapdragon 8 Gen 3 |
| ストレージ容量 | 128GB / 512GB |
| バッテリー | 8850mAh、67W急速充電対応 |
| 価格 | 54,800円~(128GB)、69,980円~(512GB) |
中級者向け動画編集用タブレット3選
Apple iPad mini (A17 Pro)《ポケットに入る編集スタジオ》
「ポケットに入る編集スタジオ」として、機動力を最優先するクリエイターから絶大な支持を得ているのが「iPad mini (A17 Pro)」です。8.3インチという片手で持てるサイズ感ながら、iPhone 15 Proと同等の「A17 Proチップ」を搭載。フルHD動画や4K動画の編集はもちろん、書き出し速度も速く、移動中の電車内やカフェの狭いテーブルでも本格的な編集作業が可能です。
このサイズ感は、GoProやドローンで撮影した映像をその場で取り込み、SNS用に CapCut や iMovie で編集してアップロードするといったVlog用途に最適です。また、Apple Intelligence にも対応し、将来性も抜群です。USB-Cポートの転送速度も高速化しているため、外部SSDからの素材読み込みもストレスなく行えます。
Liquid Retinaディスプレイは色再現性に優れ、正確な色調整が可能です。
iMovie、Adobe Premiere Rush、LumaFusionなどの定番アプリに対応し、特に iMovie では直感的なインターフェースで素早く編集作業を完了できます。Apple Pencil(Pro、USB-C)に対応しているため、細かな編集作業も快適です。
LumaFusion のようなプロ向けアプリも快適に動作しますが、画面サイズが小さいため、複雑なレイヤー構造の編集よりは、カット編集やテロップ入れなどの作業に向いています。YouTubeショート動画やInstagramリール、TikTokなどの縦型・短尺動画の編集には特に適しています。
別売りの外部モニターに出力すれば、自宅では大画面で編集、外では本体のみで編集といったハイブリッドな使い方も可能です。どこへでも持ち出せる最強のサブ機として、あるいはミニマリストのメイン機としておすすめです。
| ディスプレイ | 8.3インチ Liquid Retina、2266 x 1488 |
| プロセッサ | Apple A17 Pro |
| ストレージ容量 | 128GB / 256GB / 512GB |
| バッテリー | 最大10時間 |
| 価格 | 78,800円~(128GB) |
Samsung Galaxy Tab S10 Lite《Sペン付属で高精細作業》
Galaxy Tab S10 Liteは、Galaxy AI対応でありながら手頃な価格を実現した、コスパの高いモデルです。この価格帯でありながらSamsung純正の高性能な「Sペン」が標準付属しています。指では難しい細かいトリミングや、手書き文字のアニメーション作成などが購入初日から楽しめます。別売りのペンを買う必要がないため、初期投資を抑えたい方にとって大きなメリットとなります。
2025年発売の最新モデルで、チップセットやメモリも動画編集に十分なスペックを確保しています。10.9インチの画面サイズは、タイムライン全体を見渡すのとプレビュー画面を確認するのにちょうど良いバランスで、作業効率を落としません。
KineMaster、VLLO、PowerDirector、CapCut などのAndroid向け主要アプリに対応しており、特にKineMasterでは複数レイヤーでの編集やトランジション効果の追加がスムーズです。
また、8,000mAhの大容量バッテリー搭載で、長時間の編集作業が可能。Galaxy AIの機能により、動画編集時の自動字幕生成やオブジェクト認識などの支援機能が利用でき、編集効率が向上します。簡単な写真や動画の補正機能も利用できます。
一般的なVlog編集やSNS向けコンテンツ制作には十分な性能を備えています。趣味のYouTube投稿や、家族の動画記録用のタブレットを探している方や、予算を抑えながらも、将来的なスキルアップに対応できる拡張性を求める中級の方に、おすすめです。
| ディスプレイ | 10.9インチ、2112 x 1320 |
| プロセッサ | Samsung Exynos 1380 |
| ストレージ容量 | 128GB / 256GB / 512GB / 1TB |
| バッテリー | 8000mAh |
| 価格 | 52,814円~ (128GB) |
Lenovo Idea Tab Pro《高性能&大画面》
Lenovoの Idea Tab Pro は、12.7インチという大型ディスプレイを採用しながら、5万円台を実現したコストパフォーマンスの高いモデルです。12.7インチの大画面は、iPad Airよりもさらに大きな作業領域を確保できます。プレビュー画面を大きく表示しながら、下段に長いタイムラインや多数の編集ツールを配置できるため、いちいちウィンドウを切り替えるストレスがありません。PCに近い感覚で編集作業ができます。
プロセッサーは MediaTek Dimensity 8300 を搭載しており、ミドルレンジ上位の性能を持っています。複数の動画トラックを重ねたり、エフェクトをかけたりする作業でも、もたつきません。144Hzの高リフレッシュレートディスプレイで、なめらかな表示。特に CapCut などのアプリを使用した際、大画面を活かした編集のしやすさは、10インチクラスのタブレットとは一線を画します。
CapCut、KineMaster、PowerDirector、Inshot、VNなど、幅広い動画編集アプリに対応しています。特に CapCut や VN といった無料アプリでも高度な編集が可能で、テンプレート機能を活用すれば効率的にコンテンツを制作できます。
ドルビー・アトモス対応の4スピーカーの音質も良く、エンタメ用途とクリエイティブ用途を一台で両立させることができます。
大画面での作業効率を重視したい中級の方や、Androidエコシステムでコストを抑えつつ本格的な編集環境を構築したい方に特におすすめのタブレットです。
| ディスプレイ | 12.7インチ、2944 x 1840 |
| プロセッサ | MediaTek Dimensity 8300、3.35GHz、8コア |
| ストレージ容量 | 256GB |
| バッテリー | 10200mAh、45W急速充電 |
| 価格 | 52,580円~ |
初心者向け動画編集用タブレット4選
Apple 11インチ iPad (A16/第11世代)《初心者向けの定番》
これから動画編集を始める初心者にとって、最も失敗のない選択肢がこの「iPad (A16)」です。いわゆる「無印iPad」の系譜ですが、A16チップを搭載したことで、数年前のハイエンド機並みの処理能力を手に入れました。iPhoneで撮影した動画をAirDropで瞬時に転送し、iMovie で直感的につなぎ合わせたり、人気の CapCut でエフェクトを加えたりといった作業が驚くほどスムーズに行えます。
動画編集をする際に、Apple製品特有の「アプリの安定性」はとても役に立ちます。編集中にアプリが落ちてデータが消えるといったトラブルが少なく、安心して作業に集中できます。また、iPadOSの使いやすさは格別で、初めてタブレットに触れる人でも、説明書なしでカット編集やBGMの挿入などの基本操作をマスターできます。
iMovie が無料で使えるのは大きな魅力で、テンプレートを活用すれば数分で見栄えの良い動画を作成できます。さらに Adobe Premiere Rush、CapCut などの初心者向けアプリにも対応し、スキルアップに応じて編集の幅を広げられます。12MPのフロント・バックカメラにより、撮影から編集まで一台で完結するワークフローを構築できます。Apple製品のエコシステムとの親和性も高く、iPhoneで撮影した動画をAirDropで瞬時に転送して編集開始することも可能です。
Wi-Fi 6対応により、クラウドストレージへのアップロードやダウンロードも高速で、128GBのストレージはiCloud連携で容量不足を補えます。
Liquid Retinaディスプレイは明るく鮮やかで、完成した動画の色味を正確に確認できます。USB-Cポートを搭載しているため、外部マイクやSSDといった周辺機器の接続も簡単です。YouTubeへのVlog投稿や、結婚式の余興ムービー作成、SNS用のショート動画作成など、一般的な動画編集用途なら、この一台で余裕でこなせます。
初心者が動画編集を始めるための最もバランスの取れたモデルとしておすすめです。
| ディスプレイ | 11インチ Liquid Retina、2360×1640 |
| プロセッサ | Apple A16 |
| ストレージ容量 | 128GB/256GB/512GB |
| バッテリー | 7606mAh、約10時間 |
| 価格 | 58,800円~ |
ALLDOCUBE iPlay60 mini Pro《コスパ最強の入門機》
予算をなるべく抑えつつ、動画編集にも挑戦してみたいという方におすすめなのが ALLDOCUBE iPlay60 mini Pro です。1万円台〜2万円前後という安さながら、処理性能の要となるチップセットに、定評のある「Helio G99」を搭載しているので、フルHD画質のカット編集やテロップ入れ程度であれば、快適に動作します。高価なタブレットを買う前に、まずは編集が続くかどうか試してみたいという初心者の方に最適です。
8.4インチのコンパクトサイズなので持ち運びやすく、1920×1200ピクセルの解像度により、編集中の動画もクリアに確認できます。16GBメモリに128GBストレージ(512GBまでの拡張可能)と、エントリーモデルとしては十分なスペックを備えています。
CapCut、InShot、VLLOなどの無料動画編集アプリに対応し、特にCapCutでは簡単な操作でトレンド性の高い動画を作成できます。6軸ジャイロセンサーや光センサー搭載により、撮影時の手ブレ補正データの取得や自動明るさ調整など、基本的な撮影支援機能も利用可能です。Widevine L1対応により動画配信サービスを高画質で視聴することも可能なため、編集以外のエンタメ用途でも活躍します。
8.4インチというコンパクトなサイズは、スマホより画面が大きく、一般的なタブレットより持ち運びやすい絶妙な大きさです。通勤・通学中に CapCut などの軽量アプリを使って、TikTokやInstagramのリール動画を作成するのに向いています。SIMカードに対応しているため、Wi-Fiがない場所でも編集した動画をその場でSNSにアップロードできる機動力も魅力です。
4K動画の書き出しに時間がかかったり、重いエフェクトを多用すると動作が重くなったりすることはありますが、用途を「SNS用のショート動画」や「フルHDの簡易編集」などの、短め・軽めの動画編集にしぼれば、これほどコストパフォーマンスの高い端末はありません。「まずは動画編集を試してみたい」という初心者や、学生の方、お子さま用のファーストタブレットとしてもおすすめです。
| ディスプレイ | 8.4インチ、1920×1200 |
| プロセッサ | MediaTek Helio G99、2.2GHz、8コア |
| ストレージ容量 | 128GB、microSDカードで512GBまで拡張可能 |
| バッテリー | 6050mAh、PD18W急速充電対応 |
| 価格 | 15,999円~ |
Galaxy Tab A9+《安定性抜群》
Galaxy Tab A9+は、手頃な価格で11インチの大画面と基本的な動画編集機能を備えた初心者向けモデルです。このクラスでは珍しい90Hzのリフレッシュレートに対応したディスプレイを搭載し、編集時の画面スクロールやアニメーション確認がなめらかです。
CapCut、KineMaster(無料版)、InShot、Adobe Premiere Rushなど、初心者に人気の動画編集アプリに対応しています。特にCapCutとの相性が良く、テンプレート機能を使えば初めてでもプロ並みの仕上がりを得られます。
基本性能もしっかりしており、Snapdragon系のチップセットを採用しているため、アプリの互換性や動作の安定性が高いのが特徴です。VLLO や Adobe Premiere Rush などのアプリを使用し、家族旅行の思い出をまとめたり、料理動画を作ったりする用途には十分なパワーを持っています。画面分割機能が優秀で、YouTubeで編集のチュートリアル動画を見ながら、もう片方の画面で実際に編集操作を行うといった使い方も便利です。
「Quick Share」機能を使えば、Galaxyスマートフォンで撮影した動画を画質を劣化させずに瞬時にタブレットへ転送できます。64GBの内部ストレージは最大1TBまで拡張可能なため、動画素材が増えてきても安心です。
また、4つのスピーカーによるDolby Atmos対応で、BGMや効果音のチェックもイヤホンなしで快適に行えます。
Samsung純正の国内正規品であるため、サポート体制も充実しており、初めてのタブレット購入でも安心です。安価ながらもチープさを感じさせないデザインと機能性は、初心者が長く使い続けるための最初の一台として非常にバランスが取れています。
初期投資を抑えて動画編集を始めたい初心者の方や、お子さまの学習用・エンターテインメント用のタブレットをお探しの方、動画編集が自分に合っているか試してみたい方に、おすすめです。
| ディスプレイ | 11インチ液晶、1920 × 1200 |
| プロセッサ | Snapdragon 695、2.2GHz、8コア |
| ストレージ容量 | 64GB、microSDカードで1TBまで拡張可能 |
| バッテリー | 7040mAh |
| 価格 | 29,973円~ |
Xiaomi(シャオミ) Redmi Pad 2《大容量バッテリー&高コスパ》
Xiaomi(シャオミ) Redmi Pad 2は、約2万円という低価格ながら、9,000mAhの大容量バッテリーを搭載した、エンタメと編集を両立できる初心者向けモデルです。電源のないカフェや移動中でも、バッテリー残量を気にすることなく動画編集に没頭できます。
11インチのディスプレイは2.5Kの高解像度で見やすく、細かいタイムラインの目盛りやテロップの文字もくっきりと表示されます。チップには「Helio G100-Ultra」を採用しており、エントリークラスながらも基本的な動画編集作業は快適にこなせます。特にXiaomiのタブレットはOSの最適化が進んでおり、メモリ管理が上手いため、アプリの起動や切り替えがスムーズです。
CapCut、InShot、VLLO、KineMasterなどの初心者向けアプリに対応し、特にCapCutやInShotでは直感的な操作で短時間に魅力的な動画を作成できます。Dolby Atmos対応により、編集中の音声チェックも高品質で行え、完成した動画の視聴も快適です。
お子さまの成長記録や、趣味の動画編集用として、家族共用で使うのにも適しています。Xiaomiの相互接続機能にも対応しているため、対応スマホをお持ちなら連携もスムーズ。microSDカードによるストレージ拡張(最大2TB)にも対応しており、保存容量の心配も無用です。
「安くて、画面が綺麗で、バッテリーが持つタブレットが欲しい」という方、軽量設計の子ども用タブレットをお探しの方、家族で共用できるタブレットを探している方におすすめの、コスパ抜群のモデルです。
| ディスプレイ | 11インチ、2560 x 1600 |
| プロセッサ | MediaTek Helio G100-Ultra、2.2GHz、8コア |
| ストレージ容量 | 128GB、microSDカードで2TBまで拡張可能 |
| バッテリー | 9000mAh、Type-C充電対応 |
| その他 | Dolby Atmos対応 |
| 価格 | 21,980円~ |
動画編集におすすめのアプリ11選
タブレットの性能を最大限に引き出すには、目的に合ったアプリ選びが不可欠です。ここでは、スキルレベルに合わせて厳選した11個のアプリを紹介します。
上級者・プロ向けの高機能アプリ4選
1. DaVinci Resolve for iPad
【対応OS:iPadOS】
ハリウッド映画の製作現場でも使われている、業界最高峰のカラーグレーディング機能を備えたアプリのiPad版です。デスクトップ版とほぼ変わらない編集機能を備えており、Mシリーズチップを搭載したiPadと組み合わせれば、PC不要でプロ品質の映像制作が完結します。無料でも多くの機能が使えますが、高度なエフェクトやAI機能を使うには有料のStudio版が必要です。
2. Final Cut Pro for iPad
【対応OS:iPadOS】
Apple純正のプロ向け動画編集アプリです。タッチ操作に最適化されたインターフェースが特徴で、ジョグホイールを使った直感的なフレーム調整や、Apple Pencilでの手書き描画機能「ライブ描画」が非常に強力です。Mac版とのプロジェクト互換性もあり、外出先ではiPad、仕上げはMacといった連携もスムーズ。月額700円または年額7,000円のサブスクリプション制です。
3. LumaFusion
【対応OS:iPadOS / Android】
長らく「タブレット動画編集の王者」として君臨してきた買い切り型のアプリです。価格はOSによって違い、3,960円から4,800円です。最大の特徴は、トラック(映像や音声を重ねる層)数の多さと安定性です。6つのビデオトラックと6つのオーディオトラックを使用でき、複雑な構成のYouTube動画やショートフィルム制作に最適です。Android版もリリースされ、Galaxy Tabなどでもそのパワフルな機能を利用できます。
4. KineMaster(キネマスター)
【対応OS:iOS / Android】
Androidタブレットで高度な編集をするなら第一候補に挙がるアプリです。クロマキー合成(グリーンバック)、キーフレームアニメーション、詳細なオーディオ調整など、PCソフト顔負けの機能を備えています。アセットストアが充実しており、フォントや音楽、エフェクト素材をアプリ内でダウンロードして即座に使用できるのが強みです。
無料でダウンロードして使用できますが、無料版では動画の書き出し時にウォーターマーク(透かし)が入ります。有料のプレミアムプランに登録することで、ウォーターマークを非表示にできるほか、豊富なエフェクトや素材、AIツールなどのプレミアムリソースを無制限で利用できるようになります。月額プランが約1,000円、年額プランが約5,000円(月あたり約471円)です。
中級者向け有料アプリ3選
5. VLLO(ブロ)
【対応OS:iOS / Android】
Vloggerやインスタグラマーに絶大な人気を誇るアプリです。直感的なUIで、カット編集、BGM挿入、トランジションなどがサクサク行えます。最大の特徴は「かわいい」ステッカーや日本語フォントが豊富な点と、有料版がサブスクリプションだけでなく「買い切り」も選べる点(※OSによる)です。無料版でも多くの機能が使えますが、有料版では全機能が解放され、透かしも消えます。月額プランが450円、年額プランが880円、買い切り(無制限)プランが2,820円です。PCソフトほど難しくはないが、無料アプリよりこだわりたい人に最適です。
6. PowerDirector
【対応OS:iOS / Android】
PC版動画編集ソフトの老舗、サイバーリンク社が提供するモバイルアプリです。月額550円または年額4,200円のサブスクリプション制。動作が軽く、4K動画の書き出しも高速です。手ぶれ補正機能や、AIによる被写体切り抜き機能が優秀で、撮影素材のクオリティを一段階引き上げてくれます。チュートリアルも豊富なので、中級者へのステップアップを目指す方に適しています。
7. Wondershare Filmora
【対応OS:iOS / Android】
世界的に利用者の多いPCソフト「Filmora」のアプリ版です。テンプレート機能が非常に充実しており、写真や動画を選ぶだけでプロっぽい演出の動画が自動生成されます。もちろんマニュアル編集も可能で、エフェクトやBGMのセンスが良く、トレンド感のある動画を効率よく作りたい方におすすめです。
初心者向け無料アプリ4選
8. CapCut(キャップカット)
【対応OS:iOS / Android】
TikTokを運営するByteDance社が提供する、現在最も勢いのある無料アプリです。人気の音楽やエフェクト、テンプレートが毎日更新され、流行りの動画スタイルをすぐに取り入れられます。特に「自動キャプション(字幕)生成機能」の精度が高く、音声入りの動画を作る初心者には必須級の神アプリです。
9. iMovie
【対応OS:iPadOS】
iPadに最初から入っているApple純正アプリです。シンプルで直感的なインターフェースにより、動画編集が初めての方でも数分で基本的な編集作業をマスターできます。トリミング、カット、結合、トランジション、テキスト挿入、BGM追加など、基本的な編集機能は全て揃っています。「予告編」機能を使えば、映画のような動画を簡単に作れます。完全無料で広告もなく、Apple製品同士の連携も完璧なので、iPadユーザーが最初に触れる編集アプリとして最適です。
10. VN Video Editor
【対応OS:iOS / Android】
「Vlog Now」の名が示す通り、おしゃれなVlog制作に向いているアプリです。無料でありながら、書き出した動画にウォーターマーク(アプリのロゴ)が入らないのが最大のメリット。画面設計が非常にクリーンでプロ用ソフトに近い操作感を持っているため、将来的にPremiere Proなどに移行したい人の練習用としても優れています。
11. GoPro Quik
【対応OS:iOS / Android】
アクションカメラGoProが提供するアプリですが、スマホやタブレットで撮影した動画も編集できます。撮影した複数のクリップを選択するだけで、音楽のリズムに合わせて自動でカット編集してくれる機能が秀逸です。編集知識ゼロでも、旅行やイベントのハイライト動画を数分で作成できます。
動画編集用タブレットまとめ
動画編集環境は、かつての「ハイスペックPC必須」の時代から、「タブレット1枚で完結」する時代へと進化しました。
プロ・上級者なら、Mチップ搭載のiPad Air/Proや、Galaxy Tab Sシリーズを選べば、外出先でも妥協のないクリエイティブワークが可能です。
中級者なら、iPad miniやミドルハイのAndroidタブレットで、機動力を活かしたVlog制作やSNS運用が捗ります。
初心者なら、まずはiPad(無印)やALLDOCUBEのような高コスパ端末と無料アプリ(CapCutなど)の組み合わせで、「動画を作る楽しさ」を体験することから始めてみるのがおすすめです。
「自分がどんな動画を作りたいか」と「どこで作業したいか」で、タブレットは決まります。この記事でご紹介した機種とアプリの組み合わせを参考に、あなたにぴったりのタブレットを見つけて、動画編集を楽しんでくださいね。

